森博嗣著「工学部・水柿助教授の日常」を読了。
N大学工学部助教授の水柿君。専門は建築学科の建築材料。しばしば独身と間違われるが、須摩子さんというミステリィ好きの、2つ年下の奥さんがいる。いつしか水柿君は身の回りで起こるなにげない細やかな不思議を、須摩子さんに披露するようになっていた…。Mシリーズ第1弾。
このMシリーズの2作目「工学部・水柿助教授の逡巡」を2年前に読んだことがありましたが、この作品は一体なんなのかが掴めず、結果面白くなく感じ、3ページくらいで読むのをやめたことがあります。
その当時は森作品をさほど読んでおらず(シリーズものは全て未読状態)、森作品の特徴や魅力、森氏とはどんな人なのかが掴めていなかったので面白く感じなかったのかなと現時点で自己分析。
で、2年後の現在はシリーズものもだいたい読み、森氏の人となりもなんとなく分かってきて、この作品は私小説風な作品なんだなぁと2年越しに分かりました。
と言うことで、森作品をより多く読んだ方がより楽しめるのがこのMシリーズだと思います。
この作品の軸は日常に存在する不思議話をネタにして、ミステリィにおけるトリックやルールなどについての森氏(水柿君か)の考察が書かれています。
が、ほとんどは水柿君の助手時代の話や大学の愉快な人々の話、奥さんとの馴れ初め話などが主で、話の飛び方や日本語に対しての突っ込み、妙な間、などなど森氏らしいなぁと言う文章の書き方は楽しかったです。
「ふはっ」と思わず笑うこともありましたし。
四七人の力士のあたりは京極氏の「どすこい(仮)」を意識して書いたのかしらと思ったんですが…そう言えば「すべてがデブになる」があったなと今気付きました。
「どすこい(仮)」を読んだ当時は「すべてがFになる」を読んでいなかったので、また読もうかなと思ったり(「すべてがデブになる」の内容はまったく覚えてません)。
まぁ、森氏のセンスが楽しめるならこの本も楽しめると思います。